事情があって、本名と異なる姓名を創作し、仕事上での名前、ビジネスネームとして使っていくことにしました。言い換えれば、芸名。
ビジネスネームを全社で使用している有名な例に、建設機械レンタル大手のレンタルのニッケンがあります。
若いころ、コピーライターを業務としていましたので、会社のネーミングなどいくつか経験があるし、自分のペンネームもいくつか考えてきた。
しかし、今回はだいぶ長く使うであろうオフィシャルな名前ですから、だいぶ時間がかかりました。子どもの命名以来です。
いくつかの候補から決定した名前は「倖田 暁水(こうだ きょうすい)」。
本名の「男澤 亨」を部首に分解し、組み合わせ、姓名判断で運勢のよさそうなものを選びました。姓名判断の商売としてのしくみに気づいたのは、副産物でした。
特に外せないとこだわった文字は、サンズイの「水」です。
「水五訓」という有名な教訓があります。
- 自ら活動して他を働かしむるは水なり
- 常に己の進路を求めて止まざるは水なり
- 障害にあい激しくその勢力を百倍し得るは水なり
- 自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるの量あるは水なり
- 洋々として大洋を充し発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じ霞と化し凝っては玲瓏たる鏡となり而も基性を失はざるは水なり
その作者は、黒田官兵衛、太田道灌、王陽明、老子などといわれていますが、昭和初期の文人の創作が正しいようだ。
声高に自分の存在や力を誇示せずに、淡々と動きながら周りに影響を与えるような存在でありたいなあと願って、「水」を名前に入れられたらいいなと考えました。
「暁(あかつき)」は、本名の部首と関係がほぼないのですが、「水」を想っていたら、若い時分に登山のキャンプで早起きし、薄暗い空気が白んでくるなかで一人で眺めていた沢の水面の光景がふと浮かんできました。
事あるごとに口付さんでいる「夜明けの来ない夜はないさ」、松本隆と松田聖子の「瑠璃色の地球」…会社のシンボルマークである朝日…連想がつながって、この文字を当てました。
名の読み方を「ぎょうすい」ではなく「きょうすい」としたのは、お気に入りの日本画家、河鍋 暁翠(かわなべ きょうすい)からいただきました。
このブログ「おとこざわ・とおるのめしのタネ」の名称はどうしようかと考えましたがそのままに。著者名「おとこざわ・とおる」もURLも現在のままとします。