運転中にカーナビに「バカ!」とつぶやいたりするのは、私ならずとも、よくあるのではないでしょうか。
目標地点がすぐ近くにあるのに、なんで逆方向行くの?
ずっと遠回りの道を指定される。その度にカーナビに悪態をつく。
先日は、盛岡に旅行し酒蔵を目指したものの、入り口にたどり着けず、またもバカ呼ばわりしてしまった。
何しろ敷地が広いので、入り口が何ヵ所もあるなかで、観光客向けの駐車場の入り口を指定してくれなかったものと思われます。別の入り口から当の入り口までたどり着くのに10分ほど遠回り…
まあ10年前のカーナビなので、ちょっとズレてるのもご愛嬌でしょうか。
今日は、出張から帰るのに「自宅へ帰る」を選択してたのですが、高速を下りて自宅に続くバイパスを通っていたら、なぜか一旦バイパスを外れて脇道に侵入するように指示されました。
いきつけのスーパーやドラッグストアの前を経由して、またバイパスへ戻るルートなのでした。
ふと気がついた。あ、学習機能だ。
この車を入手してから一度も読んだことのない「ナビゲーションシステム取扱書」をめくってみた。なんと624ページの大部。
ありました。「ルート探索時にいつも通る道を考慮したルートで案内させることができる」機能。学習をするかしないかも選択できるのでした。
思えば、高速道路でも割と立ち寄るサービスエリアに入るようにいつも誘導されるなあ。
あれはそろそろ休んだら、という親切心で示されるのかと思っていたけれども、そうじゃなかったんですね。
チコちゃんに怒られる。ぼーっと生きてんじゃねーよ。
とはいえ。
昔から、機械には心が宿っていると信じている私です。丁寧に扱って、優しい声をかけてあげれば、うまく動いてくれる。
これからも、ぼーっと考えて、親切心で教えてくれてるんだと理解しておいたほうが幸せだなあ。
カーナビに格納された地図情報は、衛星写真やGPS位置情報や測位などデジタル技術の恩恵あってのものだけれど、調査員が文字どおり、足で稼いだ、たとえば店舗の名称や交通標識などさまざまなアナログ情報も詰め込まれたものだ。
地図を目の前の光景に重ね合わるように、GPS位置情報とシンクロしながら刻々と表示が移動する。人間の頭脳も地図情報を自分が理解できるようにフォーマットを変換しながら、ハンドルを操作する。
アナログとデジタルの交歓の粋ともいうべき、愛すべき精密機械。
(追記1)
ラジオドラマで「みんなで私をバカにしてぇぇ」と泣きわめく女性の声を聞いた。妻子を捨てて新しい女性と結婚するために金で蹴りをつけようとする夫に絞り出す言葉。軽々しく使える言葉じゃないなと思った。
(追記2)
「調査員が足で稼いだ」地図のゼンリンとグーグルは袂を分かったようですね。
ゼンリンとの提携を解消したGoogle、提携し始めたMapbox【週刊宇宙ビジネスニュース 3/18~3/24】