あるファミレスに、食事と仕事をするために入りました。
店長さんが(推定40代の男性)フロアをひとりで仕切っていました。注文と配膳でてんてこまいの様子。
昼には間があったので、最初にドリンクバーをたのんで、後でランチを頼むことでいいですかと聞いたところ、「大丈夫ですよ」。
昼が近づいてきて、混みはじめる気配なのでそろそろ注文をとお願いしたら、メニューをみているのに間髪を入れず、「日替わりでいいですか」。急かしてきました。
厨房も忙しいから、用意のしやすい日替わりに誘導しているのかな、それともさっき言った「ランチ」とは、この店では「日替り」とほぼ同義語であって感違いされたんだろうか。
いずれにせよ、日替わりでいいです、と答えました。低価格ランクのファミレスで、サービスに特段に期待するわけではないので、不満はない。
メニューを眺めるのが好きなので、「LUNCH MENU」と表示されている大判の冊子を引き続きめくっていると、ランチ専用なのに100種類に届きそうなメニューがいるわいるわ並んでいるわ。
12時台のラッシュアワーに、アラカルトのような注文が混雑してきたら、厨房もたいへんなのは察してあまりある。
外食産業ではいずこも人手不足が顕著ですが、この有名なチェーン店の経営方針はもしかして間違ってないのかなあ。
思い出したことがあります。
利用者としての意見を聴取される図書館主催の懇談会に、知人が参加したときの話。
60代の男性が「コンビニですら24時間営業のこの時代に、図書館が月曜日に休むとは何事だ」と語っていたとのこと。
公的機関なのだから受益者の不便を解消せよ、と叱咤激励したものと好意的には捉えられるが、大手企業を定年退職した(と自己紹介していた)のに、それを実現するためにどれだけのコストがかかり、それは税金で賄われることには思いが至らないのだろうか。結局、自分もコストを支払うし、望んでもいない人も道連れにするし。
最近読んだ本で印象に残った言葉に、「税金を浪費しているのは住民である」とあって、そのとおりだなあと改めて認識しました。
このファミレスの100種類のランチメニューは、多様なニーズのお客様に応えようと奮闘努力してきた結果なんだろう。
しかし、消費者はお代に見合った、ほどほどのサービスで満足すべきでしょう。結局は人手不足やそれに伴う外国人雇用などコストの増大や無茶に跳ね返る。
(外国人労働者受け入れ拡大を嫌っているわけではありません。さまざまな問題を解決する準備もなく、拙速に決めたことで、今後問題がもぐらたたきのようにあちこちで吹き出すことになると思っているのです。)
じゃあ、お前ならこのファミレスをどうするんだ?
...フロアはロボットにする。
...メニューを減らす。
...単価を上げてスタッフを追加する。
...セルフサービスにする。
...日替わりを食べながら考えついたのは、凡庸なアイデアばかりでした。ごめんなさい。
また、読みたくなりました。
東京都心のビル地下で食堂をひとりで回している小林せかいさんの著書。
この「未来食堂」は、日替わり一種類のみ。まかない、ただめし、あつらえ、など独創的なしくみで、ランチだけで12席10回転を実現した人です。